ご質問
マクロレンズで撮るのと、通常のレンズにクローズアップレンズや接写リングを入れて撮ることの違いは何でしょうか?
回答
マクロレンズは近づいて大きく撮れることが最大の特徴ですね。
とはいえマクロレンズは1本数万円する比較的高価なレンズですので、リーズナブルなクローズアップレンズや接写リング(中間リング)に興味が湧いてきます。
クローズアップレンズ
過去のメルマガでお伝えしていますが、クローズアップレンズを一言で表すと「虫メガネ」です。
レンズフィルターのようにレンズ先端に虫メガネを取り付けるイメージですね。倍率に応じてNo.いくつと種類があるので、好みの大きさに使い分けることができます。
価格も安価で、ズームレンズにも取り付けられるので、お手軽にマクロ撮影を試したい方はおススメできるアイテムです。
デメリットとしては、繊細なレンズに安価な光学系を追加するため、画質の劣化は避けられません。フィルターと同じように取り外しの手間が必要ですね。さらにレンズの径に合わせて何種類かのクローズアップレンズを用意する必要もあります。クローズアップレンズを購入するときはフィルター径に十分注意してくださいね。
接写リング(中間リング)
接写リング(中間リング)とは、レンズを装着するマウント部分に中空の筒を挿入する方法です。横から見ると、レンズが数cmほど前に繰り出したように見えます。
クローズアップレンズと異なり余計な光学系が入らないので画質の低下は心配ありません。
接写リングの特徴は、通常のレンズでもマクロレンズのように被写体に近づいて撮れることです。いわば、普通のレンズをマクロレンズに化けさせてしまうアイテムです。
基本的には単焦点レンズだけでなくズームレンズにも取り付けられます。
マクロレンズに比べて価格も安いので、1つ持っておくだけで、お持ちのレンズがマクロレンズに早変わりします。
と聞くといいことづくめですが、マクロレンズに比べて弱い点もあります。
マクロレンズと接写リング(中間リング)の違い
マクロレンズは近距離から無限遠までピントを合わせられることが特徴ですが、接写リングを使った場合、遠くにピントが合わなくなります。つまり、近距離専用のレンズになってしまいます。
また、カメラのレンズの電子制御ができなくなるケースが多いので、基本的にはマニュアルフォーカスが前提です。
メーカー純正の接写リングを使えば、通常のレンズと同じようにAFや絞りの電子制御ができることがあります。(レンズと接写リングの組み合わせによります、詳細はメーカーのサポートにお問い合わせください)
接写リングの画質に関して、レンズの描写はそのレンズが使われる条件で画質が保証されています。
マクロレンズは近距離の撮影で画質が最もよくなる設計ですが、通常レンズに接写リングを追加した場合、本来の設計外の使い方になります。その違いはどれくらいあるの?と聞かれると、こだわりが無ければ気にならない程度と考えておくとよいでしょう。
画質にこだわった作品創りや、使い勝手の良いマクロ撮影を楽しみたい方は、やはりマクロレンズを購入したほうがよいでしょう。
接写リングを使った作品
接写リングを使った受講生の作品を紹介します。
「ささやき」kiyo55 さん (接写リング+クローズアップで撮影)
※各作品をクリックするとPHOTODAYSの投稿画面に移動します